MENU

有料道路で国内初!「ワンストップ型ETC」導入に向けた社会実験の結果について

 

神奈川県道路公社は、首都高速道路株式会社、アマノ株式会社、株式会社日立製作所、首都高ETCメンテナンス株式会社及び三井住友トラストクラブ株式会社と共同し、本町山中有料道路で「ワンストップ型ETC」※2導入に向けた社会実験の結果をこの度まとめました。

「ワンストップ型ETC」は、ネットワーク型ETC技術※3を活用するため車は一旦停止する必要がありますが、高速道路で使用されている通常のETCに比べて料金所に設置する機器が少なく、初期費用が抑えられます。また、キャッシュレス社会の実現に寄与し、コロナ禍の中、非接触の料金収受にも貢献するものです。

<社会実験の概要>

実施期間 令和2年3月23日(月)10:00から同年5月21日(木)15:00まで
場所 本町山中有料道路料金所上下1レーンずつ(神奈川県横須賀市)(下記位置図参照)
目的 キャッシュレス決済時の料金所通過時間の計測やモニターアンケート等から、「ワンストップ型ETC」の導入効果を検証
モニター人数等 (1)モニター登録人数:94名(うち実験参加者72名)
 ※ダイナースクラブ会員を対象に募集
(2)通行回数:902回(1日平均15.0回)

 

 

<社会実験の結果>

(1)アンケート結果

ETCカード決済がスムーズと感じた方は「ややスムーズに感じた」を含めると95%、ワンストップ型ETCの良い点として「小銭を用意しなくてよい」、「料金収受員と接触することがなくてよい」、ワンストップ型ETCを他の路線にも導入したほうが良いと思った方は「できれば導入」を含めると97%、等のご意見を頂戴しました。

 

 

(2)料金所通過時間

進入の車両検知器前を通過してから出庫の同検知機を通過するまでの平均通過時間は、「現金」に比べて「ワンストップ型ETC」は約2秒の短縮になりました。

これは、モニターの割合が総通行台数に比べ極めて少ないため(期間中1日当たり、通行台数約4,400台中モニター通行台数15台)料金収受員が不慣れな業務に時間を要したこと、今回は通行時に料金収受員に「モニター」であることを口頭で伝えることを条件としていたこと等により想定より時間を要しました。

本格運用に向けて、センサー感知によりモニター車両であることを料金徴収員にブザー音で知らせる等運転手が窓を開閉せずに通過できるようにするとともに、料金徴収員の機械操作の訓練を徹底することで、通過時間の一層の短縮ができると思われます。


料金所通過時間の計測イメージ

 

 

<本格運用に向けた課題>

 

  1. ETCカード決済の通信が正常に完了したことが、サイネージ表示により運転者からは確認ができるものの、収受員からも料金所ブース内で「通信が正常に完了できたことを知らせる機能が必要」という意見がありました。現在、料金所ブース内で正常通信の完了をお知らせする機能などの導入に向けて検討しています。

  2. 本格導入に向けて「一旦停止が必要なことの更なる周知」「料金収受員の機械操作の慣れ」「通信ネットワーク混雑時における通信時間の改善」などを今後の課題として認識し、次の社会実験までに解決していきます。

  3. 今回の社会実験は、はからずもコロナ禍における実施となりました。現金車の対応はトレーを利用した現金等の収受を余儀なくされたことから、「ワンストップ型ETC」による非対面(非接触)の料金収受を実現する必要性を強く認識しました。

 

 

<今後の予定>

現在利用可能なETCカードはダイナースクラブ1社のみであることから、利用可能なETCカードを増やしたうえで、本町山中有料道路の全てのレーンにワンストップ型ETC機器を設置し、今後、第2回目の社会実験を行うこととしています。


※1 「ETC多目的利用サービスの拡大」とは、平成25年6月14日に閣議決定された『世界最先端IT国家創造宣言』の中において示された「駐車場等、高速道路以外の施設でもETC等のITS技術が利用可能となる環境を整備し、利便性の向上を図る」という方針に基づき、国土交通省の指導の下、試行運用を進めている取組み

 

※2 「ワンストップ型ETC」とは、ETC通信を活用した新たなキャッシュレス決済システム。通常のETC(ノンストップ型自動料金支払いシステム)に対し約1/4の設置費用であるため、高速道路会社等に比べ経営規模の小さい地方道路公社でも導入しやすいものとなっている。ただし、機器を簡素化している関係で料金所での一旦停止を要する。

 

※3 「ネットワーク型ETC技術」とは、遠隔地に設置したセキュリティ機能を有した情報処理機器と駐車場等における複数の路側機を通信ネットワークで接続し、路側機で取得した情報を集約させて一括処理することで、ETCカードを用いたキャッシュレス決済の安全性を確保する技術。

 


 

■社会実験箇所

位置図

 

 

社会実験概要図

社会実験概要図

ページの先頭に戻る

 

 

■背景等

高速道路会社等が管理する道路では、運用するETCシステムの利用率は9割を超える路線もあり、決済手段として広く普及しているところです。一方、地方道路公社等においては、ETCシステムの導入について、お客様の要望はあるものの、導入費用等の課題があり、導入が進んでいない状況です。

現在、初期費用及び維持管理費用が安価なネットワーク型ETC技術を活用した新しいキャッシュレス決済システムの検討が駐車場等で進められており、有料道路にも活用できれば、地方道路公社での展開が見込まれるものと考えます。

ページの先頭に戻る

■期待される効果

【利用者の方々への効果】
通行料金支払時の負担軽減や、料金所通過時間の短縮による利用者の利便性向上
【有料道路への効果】
料金所の処理能力向上による、周辺への環境負荷軽減および利用促進
【地域社会への効果】
利用者の利便性向上と有料道路の利用促進による、地域経済の活性化および観光振興
【感染症拡大防止への効果】
利用者と料金徴収員が非接触となることによる感染症拡大防止

 

 

■社会実験における実施体制

神奈川県道路公社 社会実験事務局、個人情報等管理
首都高速道路株式会社 ETC通信セキュリティ管理
アマノ株式会社 ETC多目的利用システム機器販売及び決済サービスの提供
株式会社日立製作所 ネットワーク型ETC技術システム構築支援
三井住友トラストクラブ株式会社 ダイナースクラブ ETCカードによるクレジット決済の実施
page to top